滋賀医科大学消化器内科は、1976年(昭和51年)に開講され、今年で45年を迎えます。
この間、国立大学の独立行政法人化や新医師初期臨床研修制度の導入など 大学を取り巻く環境が厳しくなるなか、250名以上の同門の先生が在籍するまでに発展してきました。さらに、その多くの医師が滋賀県下の基幹病院を中心に、ますます増加する消化器疾患に対して最新で最良の医療を提供すべく活躍しています。
消化器内科は重症の患者も多く、他の診療科と比べ多少忙しいかもしれません。しかし、忙しいからこそ医師としての使命を実感できる場面にあふれています。私たちと一緒に頑張ってくれる若い先生はいつでも大歓迎ですので、気軽に消化器内科のスタッフにお声かけください。日本の消化器疾患の診療技術はますます進歩し、特に内視鏡技術などは世界を牽引する勢いです。消化器疾患領域でもさまざまな分子標的薬の開発や新しい発想に基づく新薬が登場し、高度の専門知識を兼ね備えた臨床医の育成が要求されています。そのような消化器疾患臨床の進歩に対応しながら、私たちには、若手医師の育成、高度専門医の養成、専門性を介した地域医療への貢献といった大学の使命を達成する責務があります。
我々の教室では、消化器内科の幅広い臨床能力の上に立った専門性、つまり広い内科疾患に対応できる臨床能力を基盤に、個々の専門領域について深い知識と医療技術を併せ持つ医師を育成することを目標にかかげています。そのためには卒後研修のプログラムが極めて重要であることは言うまでもありません。
私たちは、滋賀医科大学附属病院とその関連病院での充実した研修の達成を目指して、若い先生方の意見を取り入れながらさまざまな卒後研修プログラムを用意しています。もう一つの大学の使命として“基礎、臨床研究を通して医学の発展に貢献する”ことがあげられます。そのために、私たちは、リサーチマインドを持った医師の養成を通して、臨床家の視点に立った疾患の病態解明と新規治療法の開発を目指しています。
とくに、
(1)炎症性腸疾患の個別化医療の確立を目指した
臨床研究
(2)腸内細菌を中心とした肥満、肝疾患研究
(3)骨髄移植、再生医療の基礎、臨床研究
に力を入れています。
今後、医療技術は加速度的に進歩すると考えられますが、そのような変化に対応するには、短期間でも若い時期に基礎、臨床研究に深く取り組んだという経験が重要と考えられます。臨床で出会う疑問を常に前向きに解決する気持ち、リサーチマインドを持ち続けることが将来の個人の発展につながり、さらに医学の進歩に貢献することになる考え指導しています。
私たち滋賀医科大学消化器内科スタッフ一同は、関連医療機関との教育、診療、研究の連携を通して地域医療へのさらなる貢献をめざしています。地域社会の期待に応えるべく、気持ちも新たにこれからも精一杯努力をしていく所存です。