臨床

1.消化器内科診療実績

2021年の炎症性腸疾患の診療実績は潰瘍性大腸炎562例、クローン病306例であり、入院加療は年間146例に行っていました。その約半分を紹介患者が占めています。新しい治療法も積極的に紹介・導入しています。

消化管内視鏡検査・治療は年間7,000件実施しています。早期胃癌、早期食道癌に対する内視鏡的粘膜下層切開剥離術(ESD)を積極的に行っています。ESD件数は年間90例を数えています。また、大腸癌、大腸ポリープなどの内視鏡下治療(EMR・polypectomy)件数は年間440例を越えます。

胆膵疾患では内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)や超音波内視鏡(EUS)を用いた診断と治療に積極的に取り組み、年間460症例以上の胆膵内視鏡検査を実施しています。

肝疾患診療では滋賀県肝疾患診療連携拠点病院の指定を受け、慢性C型・B型肝炎に対する核酸アナログ製剤療法、肝臓癌の集学的治療、肝硬変の栄養療法などを病診連携で行っています。

2021年度の入院はのべ1253件であり、その内訳は食道腫瘍・狭窄病変44例、胃・十二指腸腫瘍98例、食道静脈瘤・胃潰瘍・十二指腸潰瘍など28例。炎症性腸疾患132例、炎症性腸疾患以外の小腸疾患11例、虚血性腸炎・感染性腸炎16例、憩室炎・出血・腹膜炎52例、大腸ポリープ・大腸癌など大腸腫瘍391例、肝障害・慢性肝炎・肝硬変・肝腫瘍88例。胆嚢・胆管腫瘍・胆石・胆管炎160例。膵疾患152例、その他81例でした。

2.特徴ある診療技術とその実績

臨床的にとくに以下の点に着目して取り組んでいます。

・炎症性腸疾患は年々増加する一途にあり、重症度・難治度も高いことから、病態の解明、診断、治療各方面からのアプローチを試みています。発症関連遺伝子の同定と粘膜免疫調節機構に根ざした新規治療法の開発を行っております。また、新しい治療法をいち早く患者さんに提供するとともに、薬剤の臨床治験にも積極的に取り組んでいます。

・微小膵癌や早期慢性膵炎、胆管癌などの胆膵疾患は通常の画像検査では発見されにくい特徴があり、当院では、超音波内視鏡検査(EUS)、EUS-FNA、胆道鏡、など最新の内視鏡機器を用いた診断を積極的に実施しています。また、進行癌の閉塞性黄疸に対して超音波内視鏡下肝内胆管胃吻合術(EUS-HGS)や重症膵炎の壊死性膵膿瘍に対する超音波内視鏡下ドレナージ術など最新の高難度内視鏡治療について多数の施行実績があります。

超音波内視鏡下胆管-胃瘻孔形成術(EUS-HGS)

超音波内視鏡下胆管-胃瘻孔形成術(EUS-HGS)

ダンベル型大口径金属ステントを用いた経胃的超音波内視鏡下膵膿痬ドレナージ

ダンベル型大口径金属ステントを用いた経胃的超音波内視鏡下膵膿痬ドレナージ

・重症急性膵炎の集学的治療にも積極的に取り組んでおり、持続動注療法や血液浄化療法を早期から取り入れ重症化を未然に防いでいます。

・肝癌に対してはラジオ波凝固術、MRIガイド下マイクロ波凝固術、肝動脈塞栓化学療法などを放射線科、消化器外科と連携のうえで行っております。また、肝硬変症例の栄養療法は、栄養士をまじえた栄養評価に始まり、基礎代謝の測定値や実測データをもとに、症例個別の栄養療法を実施しています。劇症肝炎の治療も集中治療部と連携する中で積極的に受け入れています。

・生活習慣病と消化器疾患、動脈硬化と虚血性消化器疾患など、これまで検討されていなかった分野からのアプローチも近年注目しています。

・【小腸内視鏡検査】 カプセル小腸内視鏡を導入し、既に実績を積んでいるシングルバルーン小腸内視鏡を組み合わせての、小腸疾患の診断・内視鏡下治療を行っています。

3.先進的医療の取り組み

滋賀医科大学医学部附属病院 消化器内科はこちらから

4.外来診療担当医

 
消化器内科1 稲富 理 松本寛史 今井隆行 西田淳史 大野将司
消化器内科2 新谷修平 西田淳史 大野将司 松本寛史 木村英憲
消化器内科3 野口明人 新谷修平 園田文乃 稲富 理 今井隆行
消化器内科4 井上博登     井上博登 松本寛史(午後)
新患 稲富 理 松本寛史 今井隆行 西田淳史 大野将司

 

●「炎症性腸疾患センター」外来担当医

 

炎症性腸疾患

センター

(完全予約制)

稲富 理

西田淳史

今井隆行

西田淳史 大野将司

 

連絡先

電話:077-548-2544(午前9時~午後4時まで)

5.入院診療の紹介

入院の担当医は医員・助手以上の医師と研修医の2名もしくは3名でおこないます。診断・治療方針については頻回に患者さん・御家族と面談し適切な方法を選択するよう心がけるとともに、教授回診・症例検討会で診断・治療方針について討論しています。また、患者さんの社会的背景を尊重し、予め入院期間を予想し、おおまかな検査・治療スケジュールを説明するよう心がけています。特に内視鏡的大腸ポリープ切除やERCPに関してはクリニカルパスを導入し、入院期間や時間スケジュールをわかりやすくしています。

6.教育認定施設の取得

日本内科学会教育認定施設
日本消化器病学会教育認定施設
日本消化器内視鏡学会教育認定施設

後方視的研究

消化器内科では以下のような後方視的研究を実施しています。調査研究であり直接の御同意は頂かずに、この掲示などによるお知らせをもってご同意いただいたものとして実施されます。下記の研究にご参加を希望されない場合は各説明文に記載の問い合わせ先にお知らせいただければと存じます。

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